来年から出しません「終活年賀状」広がる 40歳の人も
2018年11月15日16時53分
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 来年から年賀状を辞退させていただきます。そんな一文を、年始のあいさつに添える「終活年賀状」が広がりつつある。人間関係を整理したいから、高齢になったから。さまざまな理由で、長年親しんできた年賀状のやりとりについて考える人たちがいる。年賀状の受けつけは12月15日から始まる。

高齢・人間関係の整理…理由は様々
 《皆様と交わして参りました年賀状ですが、誠に勝手ながら今年をもちまして書きおさめとさせていただきます》
 新年のあいさつに続いて、年賀状の「終了宣言」が印刷されていた。神奈川県の男性(69)が2017年の正月に受け取った年賀状だ。差出人は70代後半の夫婦。男性は思った。
 「お互い高齢になり、こういう終活もありだな」
 男性も翌年、文面をまねて終活年賀状を書いた。毎年出してきた約50枚のうち、今後のつきあいがなさそうな5人ほどに、年賀状をやめたい気持ちと感謝の言葉も手書きで添えた。
 「印刷や宛名の名簿の管理が面倒だし、あまり思い入れがなく、つきあいも薄くなった人との関係を整理したい気持ちもあったから」
 東京都の弁護士の男性(72)にも、7年前ごろから終活年賀状が届くようになった。今年の正月は10枚ほどあった。
 《高齢になったので》
 《米寿を迎えたので》
 そんな理由も書かれていた。「縁切り状のようなものだけど、何も言わずにやめるのではなく、きちんとあいさつしてくれて気配りなんだと思った」。届いた人たちへの年賀状は、翌年から出していない。
 都内の会社員の舩木真由美さん(40)は、年賀状の「終活」を試してみた。
 もともと年賀状づくりが面倒で、大そうじなどで忙しい年末に慌てて作っていた。昨年、終活年賀状という言葉を知った。
 「人生80年としたら、私も折り返し地点。こなす感覚で続けてきた年賀状のやりとりをやめて、関係を整理してみよう」。1枚も書かなかった昨年末は、いつもよりゆったり過ごせた。
 だが、年が明けて友人たちから年賀状が届くと、申し訳ない気持ちが募り、結局、順番に年賀状を返した。メールやLINEで「実は終活で年賀状を終わりにしようと思うんだ」と伝えると、驚いた友人たちからは「楽しみにしていたのに」との返信もあった。
 舩木さんは毎年、家族4人で新年の抱負を「あいうえお作文」で考え、年賀状に書いていた。その言葉を友人たちが心待ちにしていたことを知ったのだ。
 「大変だけど、喜んでもらえるなら作ろうかな」。結局、考え直して今年の年末はまた年賀状を出そうと考えている。ただ、考え方は人それぞれ。終活年賀状という選択肢も広がるといいなと思う。

文案の提供サービスも
 昨年、葬儀サービス会社「鎌倉新書」(東京)がマーケティング会社に登録する65歳以上のモニター約200人を対象に実施した調査によると、「終活年賀状を受け取ったことがある」という人は57%だった。受け取った時や、受け取ることを想像した時の気持ちを問うと、7割近くが「さびしい」と答えた。
 実際に「出したことがある」は6%。一方、半数近くが「終活年賀状を送ろうと思っている」と答えた。理由は「付き合いを身近な範囲にとどめたい」「年賀状作成の負担が大きい」「体力に自信がなくなった」などさまざまだ。
 年賀状のイラストなどのダウンロードサイトを運営する「TB」(名古屋市)は、昨年から終活年賀状用の文案の提供を始めた。
 《寄る年波には勝てず》《手元がおぼつかなくなり》といった「理由」や、《今後は年賀状を控えさせていただきます》《今年をもちましてごあいさつ状を最後に》という辞退の文案を例示している。
 主な顧客層は70〜80代。その世代を親に持つ40代前後の層も狙う。体力的にも書くのが難しくなった親に代わり、子ども世代が終活年賀状を書いて出すことを想定している。「高齢化で、終活年賀状の需要はますます増えていくのではないか」と担当者は話す。(佐藤恵子)
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★1:2018/11/15(木) 20:55:57.94
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