埼玉県桶川市のマンションの一室で昨年10月、当時1歳1か月の三男に十分な食事を与えずに死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた父親の会社員山辺拳士郎被告(25)と、母親の無職仁美被告(25)の裁判員裁判の初公判が3日、さいたま地裁(田尻克已裁判長)で始まった。罪状認否で、両被告はいずれも起訴事実を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、「十分な収入もあり、適切な医療措置を受けさせることができたのに、互いに話し合うこともせず、出会い系サイトやオンラインゲームなどを優先させた」と指摘した。

 一方、拳士郎被告の弁護人は「(育児などの)能力の問題で結果的に育児放棄になった」と主張。仁美被告の弁護人は、仁美被告が対人恐怖症だとしたうえで「親族や行政機関に相談できなかった」と訴えた。

 起訴状などによると、両被告は昨年9月頃から、三男の晴はるとちゃんに十分な食事を与えず、昨年10月9日、自宅で低栄養状態で死亡させたとされる。

2018年12月03日 15時37分
YOMIURI ONLINE
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181203-OYT1T50034.html