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2018年12月6日 / 07:29 / 11時間前更新
幹部逮捕のファーウェイ、「中国封じ込め」の矢面に
Christopher Beddor
[香港 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]は今や、地政学的な嵐の中心に完全に入ってしまったようだ。

カナダ司法省は、米制裁措置に違反している疑いで、同社の孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)をバンクーバーで逮捕したことを明らかにした。

今回の逮捕は、ファーウェイに対する各国の風当たりが強まる中で行われた。サプライヤーも影響を受けることは必至だ。逮捕は中国を封じ込めようとする取り組みの「縮図」なのかもしれない。

ファーウェイ創業者の娘でもある孟氏は、米国に身柄が引き渡される可能性がある。7日には法廷審問が予定されている。

複数の報道によると、孟氏には米国の対イラン制裁に違反した容疑がかけられている。また、関係筋が4月、ロイターに明らかにしたところによると、米当局はファーウェイを以前から捜査していた。

孟氏の逮捕により、ファーウェイが米国のサプライヤーと取引を継続できるのかという疑問が生じている。現在は解除されたが、同じく中国のライバル企業、中興通訊(ZTE)(000063.SZ)は今年、米企業との取引禁止という制裁を受けた。ファーウェイは、孟氏のいかなる不正も承知していないとしている。

逮捕はファーウェイの問題をこじらせる。各国が次世代高速通信「5G」技術を構築する中、同社はこの数週間、多くの政治的抵抗に直面していた。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは先月、米国が同盟諸国に対し、ファーウェイを使わないよう求めたと伝えた。オーストラリアは8月、同社とZTEを締め出した。ニュージーランドも同様の措置を講じている。また、英通信大手BT(BT.L)は5日、5Gだけでなく、既存の3Gと4Gの基幹ネットワーク部分から同社を排除すると表明した。

投資家には今後の影響がより明らかとなりつつある。米企業からファーウェイを排除することの影響は計り知れない。欧州からの緩やかな排除でさえ痛手となるだろう。

米投資銀行ジェフリーズによると、同社は欧州市場の4割を占める。欧州大陸における通信分野の設備投資は、世界全体の少なくとも4分の1に達する。ファーウェイが今年の売上目標1000億ドル(約11兆円)を達成するのは、ますます困難になるだろう。
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