2018.12.13
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 宿泊先選びの手段として定着してきた旅行予約サイトで、とんでもない問題が発覚した。中国に本社を置くサイトで、実際には空いていない高級旅館やホテルの部屋が「カラ販売」されていたというのだ。年末年始や10連休となる来年のゴールデンウイークを控える旅行業界だが、利用者が旅行計画を台無しにしないためにも注意すべき点があると専門家が警鐘を鳴らす。

 上海に本社を置く企業が運営する旅行予約サイト「トリップドットコム」は10日、自社のサイトでカラ販売が行われていたことを謝罪する声明文を発表した。

 カラ販売では、国内外の満室のホテルや旅館の部屋をサイトで勝手に高額で販売する。予約された日までに空室が出ればサイトが安く仕入れて穴埋めし、利ざやを稼ぐ。途中で利用者がキャンセルすれば最大100%のキャンセル料が販売側の儲けになる。最後まで空きが出なかった場合、代金は戻ってくるが、利用者は新たな宿泊先を探さなければならないという悲惨な状態だ。

 トリップドットコムによると、カラ販売の疑惑が見つかった業者は10社で、計約400件の予約のうち20%が予約確保されていない状況だという。同社は10社を販売停止とし、他の販売業者の実態も調査中だとした。

 観光庁や日本旅行業協会も利用者に注意喚起する事態になっているが、旅行予約サイトでトラブルに巻き込まれないためにはどうすればよいのか。旅行ジャーナリストの村田和子氏はこんな注意点を挙げる。

 「日本語できれいなレイアウトの予約サイトだと安心してしまうが、海外企業が運営するものも多い。トラブルがあった場合には救済手段が少なく、泣き寝入りのケースもある。事前にどのようなサイトか調べる自衛手段は持っておいた方がいい」

 村田氏によると、カラ販売以外にも、ホームページ(HP)に掲載された写真を見て、ホテルだと思い込み予約すると、実は民泊だったというトラブルも相次いでいるという。

 村田氏は「旅行業に登録し日本旅行業協会の会員なら、万一の際にも弁済制度もあるので安心だ。また、海外企業が運営するサイトでは民泊もホテルと横並びで見分けがつかないこともある。安すぎる料金には警戒し、ホテルが希望なら公式ページがあるか調べた方がいい」と解説する。

 ホテルや旅館に直接電話で確かめるのも効果的だろう。「海外運営サイト」「安価」「宿泊先の公式HPがない」といった場合、くれぐれも注意すべきだ。

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