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「昭和の汽車旅」気分を新幹線で

日本の鉄道技術の象徴である新幹線。この年末年始に利用する、もしくはした人も多いことでしょう。
北海道から九州まで路線網が充実し、近年は実在の新幹線車両をモチーフにしたロボットアニメも人気。
新幹線に対する注目度は高まっています。

スピードや技術が注目されがちな新幹線ですが、実は「昭和の汽車旅」気分を味わえる路線であることをご存じですか。
おすすめは、なんといっても「こだま」「つばめ」「なすの」「たにがわ」のような各駅停車タイプ。
「のぞみ」などの速達タイプよりも時間がかかり、本数も少ないなどあまり注目されない存在ですが、
国鉄時代から続く鉄道旅の魅力をたっぷり備えています。その知られざるポイントを3つ、紹介しましょう。

だいたい空いている

ひとつ目は、いつも空いていること。「こだま」タイプの乗客は、速達タイプの列車から乗り継ぐ人や、
短距離の利用者が多いのですが、座席数はたいてい余裕があります。張り詰めた雰囲気のビジネス客は少なく、
自由席では気に入った座席でのんびりと過ごせるでしょう。始発駅を10時から16時ごろに出発する列車は特に空いていて狙い目です。

東海道新幹線だと、座席は、日中なら日差しが入らず富士山が見えるE席(2列席)側、夜間や雨天時は、
通路が遠くより落ち着けるA席(3列席)側が良いでしょう。東北新幹線や北陸新幹線は、日本百名山に数えられる山々が
次々と現れるE席(2列席)側がおすすめです。

最近の「のぞみ」「はやぶさ」などは、混雑しているときには食事をするのもはばかられることがありますが、
「こだま」タイプならそんなことはありません。グループ旅行なら、座席を向かい合わせにして駅弁や持参した料理を味わうことができるでしょう。
東京駅や新横浜駅などでは、改札内の売店で生ビールも売っているので、それを持ち込んで乾杯もできます。

ただし、東海道新幹線は注意が必要です。東海道新幹線の「こだま」普通車指定席は、例外的にいつも混雑しているのです。
これは、JR東海とJR西日本のネット予約である「エクスプレス予約」で、自由席と指定席の料金が同額に設定されており、
あえて自由席を選ばない限り指定席が選択されるためと思われます。ほぼ満席のうえ、短い区間で次々と乗客が入れ替わり、落ち着きません。
自由席の方が圧倒的におすすめです。

停車時間に駅弁を選ぶ楽しみがある

「こだま」タイプの魅力、ふたつ目は、多くの駅で長時間停車することです。これが最大の魅力といっても過言ではありません。
「こだま」タイプは、「のぞみ」や「みずほ」などの速達タイプに追い抜かれるため、多くの駅で長時間停車します。
この停車時間を利用して、ホームを散策したり、売店で駅弁や飲み物を買ったりできるのです。

国鉄時代、まだ複線区間が珍しかったころには、多くの列車が行き違いなどのため主要駅で長時間停車しました。
ホームには駅弁の立ち売りが出て、乗客は買い物を楽しんだり、柔軟体操をしたりして気分を変えたものです。
しかし複線区間が増えて長時間停車が減ったいまは、そんなことができる列車は珍しくなりました。
「こだま」タイプの列車には、その楽しみが残っています。

東海道新幹線の場合、基本的に「こだま」は小田原、三島、新富士、静岡(名古屋発着便のみ)、浜松、豊橋、三河安城の各駅で
3〜6分停車します。伊豆天城産の茎わさびを自らすり下ろして食べられる三島駅(静岡県三島市)の「港あじ鮨」(1000円)や、
三ヶ日牛とうなぎを一度に味わえる浜松駅の「三ヶ日牛ごぼうしぐれ&プチうなぎ弁当」(1240円)など、各駅でその土地ならではの
駅弁を購入できるのです。グループ旅行なら、5分停車するごとにひとつずつ駅弁を買い求め、一斉に包みを開いて食べ比べて
みてはいかがでしょう。目玉になっている魚が1匹しか入っていないこともありますが、そこは譲り合いで解決します。

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