武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は7日、アイルランド製薬大手シャイアーの買収後の連結売上高が313億ドル(約3兆4千億円)になるとの見通しを示した。
2017年10月から18年9月までの2社の売り上げを合算した。
買収後の有利子負債削減のために進める資産売却については、大阪市中央区道修町にある大阪本社のビルを売却すると明言。
統合後は「強い財務を持つことになり、厳しい市場環境下にも挑戦ができる企業になる」と述べた。

8日に予定されているシャイアーの買収完了を控えて、ウェバー氏は東京都内のグローバル本社で会見を開き、買収後の連結売上高が313億ドルとなり、米国事業は全体売上高の49%を占めるとした。
武田の平成30年3月期の連結売上高は1兆7705億円で、買収後はほぼ倍となる。ウェバー氏は「研究開発型のバイオ医薬品のリーディング企業、真のグローバル企業となる」と強調した。

買収後の有利子負債が5兆円超に膨らむことから、速やかな負債削減のために中核事業以外の資産売却を予定している。
その具体例として、大阪市中央区にあり、現在も登記上の本社を置く「武田御堂筋ビル」の売却する計画を正式に認めた。
ただ、賃貸契約を長期間で結ぶといい、ウェバー氏は「大阪にはこれからも積極的に関わっていく」と説明。
武田は本社機能の大半をすでに、グローバル本社に移しているが、本社の登記の移転はしない方針だ。

一方で、大衆薬事業については「日本ではとても大きな位置を占めている」として、現時点では売却の方針はないことを示した。

産経デジタル 2019/1/7 17:13
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