◆月面基地の可能性模索 中国、今後の観測通じ

中国国家宇宙局は14日、無人探査機「嫦娥4号」が世界で初めて月の裏側に着陸したことを受け北京で記者会見を開き、今後の観測を通じ、月面の科学研究基地建設の可能性を模索していくと明らかにした。
月の南極での建設を考えているもようで、各国との協力を歓迎する意向も示した。

習近平指導部は「宇宙強国」の地位確立を国家目標に掲げている。
国際貢献をアピールする一方、宇宙関連技術が軍事技術と結び付くため、各国の警戒を招きそうだ。

会見した呉艶華副局長は、中国のほか米国やロシア、欧州なども3Dプリンターなどの技術を使って月面に科学研究基地の建設が必要かどうか検討していると指摘。
今後も嫦娥を打ち上げ「各国と共に基地を建設するため事前に月を探索する」と述べた。
具体的な建設案はないとした。

年末に嫦娥5号を打ち上げて月面の試料を採取し、地球に帰還するミッションを実施すると発表。
その後、さらに6〜8号を打ち上げ、月の南極で試料採取をしたり、月の地形や物質、空間環境の観測を行ったりするほか、基地建設の可能性を探ると述べた。

呉氏は5号の打ち上げにより「2020年より前に月を周回、着陸し、帰還するという目標を実現できる」と強調。
ただ、6〜8号の打ち上げや基地建設の時期については言及しなかった。
20年前後に中国として初めての火星探査を実施することも改めて発表した。

日本経済新聞 2019/1/14 20:34
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3999196014012019FF8000/

(参考写真)中国の無人月探査機「嫦娥4号」から分離した探査車「玉兔2号」。中国国家宇宙局が公開した=3日(新華社=共同)
https://amd.c.yimg.jp/im_siggabZorIIIc.6sC8.WynBShw---x900-y503-q90-exp3h-pril/amd/20190114-00000077-kyodonews-000-3-view.jpg