九州電力が、停止中の玄海原子力発電所2号機(佐賀県玄海町、出力55・9万キロ・ワット)について、廃炉とする見通しとなったことが分かった。2011年3月の東京電力福島第一原発事故後の新規制基準に適合するための安全対策費が多額に上り、投資の回収が難しいとみている。18年度内にも最終決定する。

2号機は1981年3月の営業運転開始から約38年経過。2011年1月に定期検査に入ったまま運転を停止する中、新基準で定められた「原則40年」の運転期限が迫っている。一定の条件を満たせば最長20年の運転延長が認められる。

 九電の原発は、川内せんだい1、2号機(鹿児島県薩摩川内市、出力各89万キロ・ワット)と玄海3、4号機(出力各118万キロ・ワット)が昨年6月までに再稼働し、玄海1号機(出力55・9万キロ・ワット)は既に廃炉作業中だ。

 九電が再稼働させた4基の安全対策費は1基あたり平均2000億円を超える。

2019年1月15日 09時24分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190115-OYT1T50001.html