全国各地で、城の再建や修復が進んでいる。本来の城は難攻不落の「バリアー」だが、いまは市民の憩いの場や観光の目玉として「バリアフリー」を求められる時代でもある。どう折り合いをつければいいのだろうか。

 名古屋のシンボル・名古屋城は、昨年5月から天守への入場が禁止され、石垣が足場に覆われている。河村たかし名古屋市長が木造天守の再建を目指しているが、そこにエレベーターが設置されないことになり、障害者団体から強い反発を受けている。

 名古屋城天守は徳川家康の命で1612年に建てられ、300年以上その姿をとどめてきたが、太平洋戦争末期の空襲で焼け落ちた。戦後、市民の寄付などによってコンクリート製で再建され、屋内外に計3基のエレベーターが取り付けられた。

 それから約60年が経ち、耐震強度不足が問題になった。河村市長は、焼失前の天守の実測図や写真などが豊富に残ることから「寸分たがわぬ復元」を公約に掲げ、2017年の市長選で4度目の当選を果たした。22年末の完成を目指している。

 河村市長は昨年5月、「史実に忠実な復元のため」として新天守にエレベーターを設けないと決めた。その代替策に示したのは、移動補助ロボットやドローン、仮想現実(VR)など、まだ実用化されていないものを含む「新技術」だった。河村市長は「国宝だったものを感じられるようにするのがバリアフリー」「新技術で(少なくとも)1階まで上がれることは保証する」などと話している。

 11月17日、名古屋市中心部の街頭で、車いすの人たちが新天守にエレベーター設置を求める署名を呼びかけた。「障害者だけでなく、高齢者やベビーカーを押したお母さんも名古屋城を楽しめるように、私たちは活動しています」

 「全ての人が安全に上れるのは…残り:1789文字/全文:2515文字

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朝日新聞DEGITAL 2019年1月15日05時00分
https://www.asahi.com/articles/ASM1G51FMM1GOIPE008.html?iref=comtop_8_05

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