https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00010000-nishinp-sci

今や、ツイッターやフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)は若い世代のコミュニケーションに欠かせないものとなっている。そんな中、長崎県立高校に通う3年生から「あるSNSページをフォロー(登録)するよう学校の先生から言われているんです」と困惑の声が特命取材班に寄せられた。好きな芸能人から身近な友人まで、つながる対象は個人の自由のはずなのに。なぜ学校側が“介入”するのだろう。

生徒は「強制かよっと思いますよね…」と表情を曇らせる。

背景には何があるのか。長崎県は急速な人口減少に悩まされている。近年は年に5千〜6千人の転出超過で、15〜24歳の若年層がその8割を占め、将来を担う若い世代の地元定着が喫緊の課題。県若者定着課によると「つながるナガサキ」は県外に就職や進学する高校生とSNSを通じ、将来的にUターン就職や移住を促すアカウントとして育てる狙いがあるという。

現役教員の一人はSNSの趣旨には賛同しつつ、「登録するかどうかは生徒の内面に関わる。県や学校が上から目線でフォローを指導しても、若者は付いてこないでしょう」。全員をフォローさせなければならないような“圧力”さえ感じるといい、生徒への確認作業や指導にも気を使う。「こんなくだらない作業が教員の多忙化に拍車を掛けている」と頭を抱える。

学校現場からSNSフォロワー数の報告を求める運用について、県若者定着課の原口修課長補佐は「若年層の地元回帰に懸ける私たちの思いが強すぎた。戸惑いの声が上がっているのなら、やり方の再検討が必要かもしれない」と話した。