大山古墳の発掘調査について説明する堺市文化財課の海辺博史主査=堺市北区の市産業振興センターで、矢追健介撮影
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 堺市は17日、今年の世界文化遺産登録を目指す百舌鳥古墳群に関する講演会を同市北区の市産業振興センターで開き、宮内庁が同市と共同で初めて行った昨年の大山古墳(仁徳天皇陵)の発掘成果を説明した。約700人の考古学ファンらが熱心に聴き入った。

 大山古墳は三重の濠(ほり)を持つ日本最大の前方後円墳で、宮内庁は仁徳天皇の墓として管理している。同庁は昨年10月23日から12月5日まで、最も外側の堤の一部を堺市と共同で初めて発掘した。調査に参加した海辺博史・堺市文化財課主査は写真を示し、堤上に埴輪(はにわ)が並ぶ様子を紹介。堤の上面に石が敷かれていることは「他に例がない」と話した。また、他の大型古墳に見られる、人物埴輪などが並ぶ祭祀(さいし)区画の確認なども今後の課題に挙げた。

 古墳群が造られた古墳時代中期(5世紀)は技術者集団の渡来などで金属加工や土器作り、騎馬といった技術がもたらされた。井上主税・関西大准教授と諫早直人・京都府立大准教授、中久保辰夫・京都橘大准教授は当時の鉄製品や馬具、須恵器を解説し、当時の倭(わ)国と朝鮮半島との交流の様子をひもといた。【矢追健介】

毎日新聞 2019年2月18日
https://mainichi.jp/articles/20190218/ddl/k27/040/219000c?inb=ra
【動画】仁徳天皇陵 共同調査の報告
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190217/movie/2000012707_20190217193243.html