冬山救助に特化した隊員養成 陸自松本駐屯地が訓練
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けが人役の人形をそりに載せて運ぶ陸自隊員ら=20日、松本市

 陸上自衛隊松本駐屯地(松本市)の第13普通科連隊が、冬山での事故や災害への対応に向けた隊員養成を本格化させている。2017年3月、18年8月に長野、群馬両県で相次いだ防災ヘリの墜落事故などを踏まえ、拡充が必要と判断。冬山での捜索や救助の技術に特化した「冬季山岳訓練隊」を初めて編成し、20日は松本市郊外の乗鞍高原で20人余が訓練に臨んだ。来年度以降も同様の訓練を続け、人材育成を進める方針だ。

 訓練隊は特殊な訓練を受けレンジャー資格を持つ隊員の他、スキーや山岳登山の技術に優れた隊員らで構成。昨年12月中旬からスキーやアイスクライミング、救助のためのロープ技術などの底上げを図ってきた。

 この日は総仕上げの総合訓練。スキー板などを身に着けた隊員らは列を作って山中に入り、民間の軽飛行機が乗鞍岳の東側に不時着したとの想定で乗組員3人の捜索、救護、搬送を訓練した。途中の天候悪化も想定してビバーク(緊急露営)し、21日まで訓練を続ける。

 同駐屯地は両墜落事故で延べ200人超の隊員を派遣した。岩原傑(すぐる)連隊長(松本駐屯地司令)は訓練隊の編成について「冬山で航空機事故があった場合、少人数では対処できない。養成が必要」と説明。
「最悪の場合を想定し、隊員の誰もが(冬山の救助などに)対応できるようにするのが理想だ」と話していた。

(2月21日)