新華社通信
密猟者から保護されたゴマフアザラシ、計画放獣へ 遼寧省
2019/2/25 23:59
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 【新華社大連2月25日】中国遼寧省南部の遼東湾で野生ゴマフアザラシの幼獣100頭密漁事件が、広く社会の関心を集めている。
現在、保護されたゴマフアザラシの幼獣のうち生存している62頭は、現地の農業農村部水生野生動物救護ネットワークに属する3機関に分けて移送・保護されており、今後は放獣条件に適合したものは全て海に返す予定になっている。


 大連警察当局が11日に野生ゴマフアザラシ大型密漁事件を摘発した際、発見した100頭のゴマフアザラシの幼獣のうち29頭はすでに死んでいた。さらに9頭が極度のショックと栄養不良のために死んだ。
現在、保護され生存している62頭は大連老虎灘極地館、大連聖亜海洋世界、遼寧省海洋水産科学研究院の3カ所に分けて移送された。専門家の指導を受けた獣医や飼育員が全力でケアに当たっている。

 遼寧省海洋水産科学研究院 鹿志創(ろく・しそう)副研究員

 現場に到着した時には各関係機関の方が全員集まっていました。70頭余りのゴマフアザラシが養殖場で飼われており、いずれも幼獣でした。とても小さく、まだ産毛が残っていました。本来の計画では、現地に向かう途中に話し合ったのですが、管理局の方はわれわれに現地に行って放獣に適合するかどうか判断して欲しいということでした。実際に現地で見ると、全てまだ自力での摂食ができない幼獣でした。

 【解説】鹿氏は、現在のところ保護されている幼獣の健康状態は安定しつつあるという。

 ゴマフアザラシは世界中に分布している海洋生物で、中国の海域で繁殖する唯一の鰭脚類(ききゃくるい)として国家2級保護動物に指定されている。近年、各地の水族館で海洋動物の需要が高まる中、一部の犯罪者による商業目的の、「盗み、飼い、供給し、売る」を一体化したゴマフアザラシ・ブラック産業チェーンが形成されている。

 遼寧省海洋水産科学研究院 鹿志創副研究員

 関連する法律の執行と巡視の強化が必要です。また、関連する広報活動の強化も必要です。さらに、取り締まりの強化も必要です。

 【解説】今後は病原菌の検査や専門家で編成されたチームによる総合的評価を行い、ゴマフアザラシの幼獣それぞれの回復状況を見て、3月から5月にかけて放獣する予定だという。