1月27日に開通したばかりの国道202号バイパスと市道の交差点(糸島市多久)で、20日までに5件の交通事故が起きた。交差点に信号はなく、県警やバイパスを管理する国土交通省福岡国道事務所は、バイパス側にある一時停止の標識が目につきにくいことなどが原因とみている。

 最初の事故は、バイパスが開通した1月27日の午後11時半ごろ、バイパスから交差点に進入した女性(19)の運転する軽自動車が、市道を走る糸島市の男性(33)の軽自動車に衝突。男性は全身を強く打って死亡した。

 今月3日や10日にも同交差点で、市道を走る車の側面に、バイパスから来た車が衝突する事故があった。20日には市道を走る糸島市のコミュニティバス「はまぼう号」が、バイパスから交差点に入ってきた軽自動車の後部に衝突した。

 自動車専用道路の福岡前原道路と並走しているバイパスは、福岡市西区から糸島市を結ぶ道路の一部で、バイパス開通で利便性が増した。一時停止の標識はバイパス側にあり、市道が優先道路になっているが、県警は、バイパス開通前に福岡前原道路に並走していた側道の交通量がさほど多くなかったことなどから、信号は必要無いと判断したという。

 交差点の近くに住む70代の男性は「広くて新しいバイパスを優先道路と勘違いしてしまうのではないか。信号をつけてほしい」。

 事故の多発を受け、糸島署は2月中旬、開通当初は二つだった一時停止の標識を一つ増設。3月末までに、うち二つを自光式に替える。優先道路だとわかるように市道の中央線を太くする。福岡国道事務所も、路上の「止まれ」の文字が目につきやすいよう、バイパス側の路上を赤く塗装する予定だ。信号を設置するかどうかについては県警内で協議しているという。(木下広大)

2019年2月27日06時58分
朝日新聞デジタル
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