天皇即位、秋に恩赦へ 26年ぶり、退位時は実施せず
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2019年3月9日1時2分
https://www.asahi.com/articles/ASM385TG7M38UTIL02V.html

 政府は、皇太子さまの即位に伴う今秋の「即位礼正殿の儀」に合わせて恩赦を実施する方針を固めた。皇室の慶弔事に伴う恩赦は1993年の皇太子さまと雅子さまのご結婚以来、26年ぶり。対象については今後検討するが、過去には選挙違反者の救済などで批判が出ており、議論を呼びそうだ。

 昭和から平成への代替わりの際には、89年2月の昭和天皇の大喪の礼、90年11月の天皇陛下の即位礼正殿の儀に合わせて計2回の恩赦が実施された。今回の恩赦では、90年の恩赦より規模が縮小される方向だ。憲政史上初めてとなる退位については恩赦は実施しない方針だ。


 恩赦は「国家刑罰権」を消滅させ裁判の内容を変更させる制度で、憲法に基づき天皇が内閣の助言と承認の下で行う国事行為の一つだ。有罪判決の効力を失わせるなどの「大赦」、特定の人の有罪判決が無効となる「特赦」、「減刑」、「刑の執行の免除」、有罪確定で停止された公民権などの資格が回復する「復権」の5種類がある。

 実施方法は対象となる刑や罪などを政令で決めて一律に対象者を救済する「政令恩赦」と、本人の申請に基づいて中央更生保護審査会が審査する「個別恩赦」に分かれる。個別恩赦には適用基準を内閣が設け、一定期間に限って行う「特別基準恩赦」と日常的に行われる「常時恩赦」がある。

 天皇陛下の即位礼正殿の儀の際…

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