※週末政治

大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長が8日、知事選と市長選に入れ替わって出馬するダブル選に踏み切る意向を正式に表明した。任期途中に辞職し、行き詰まった大阪都構想の民意を問う政治手法に有権者の賛否の声が交錯した。

大阪市都島区の自営業、伊東正史さん(64)は「都構想は二重行政を解消し、税金の無駄遣いをなくす政策。局面打開のため、任期途中に選挙に打って出るのも首長に認められた権限だ」と理解を示す。都構想が否決された2015年の住民投票で賛成票を投じたという伊東さん。「住民投票にもう一度挑戦できる道筋を付けてほしい」と訴えた。

都構想の是非を問う2度目の住民投票を巡り、大阪維新の会は17年4月、協力関係にあった公明党と実施時期に関する合意書を交わした経緯がある。無職の橘千鶴子さん(81)=大阪市東淀川区=は「約束をほごにした公明の対応が、ダブル選の引き金を引いた。知事らの決断は批判もあるだろうが、やむを得ない」と擁護した。

一方、大阪市中央区の女性会社員(49)は「何のために選挙をするのか分からない」と手厳しい。「4年前の住民投票で民意は示されたはず。都構想の議論が長期化することも税金の無駄遣いにつながるのではないか」と首をかしげた。

都構想の賛成派からも、ダブル選を疑問視する声が上がる。大阪市内に住む男性会社員(71)は「今回の手法は維新の思い上がりに見える。議会や府民に都構想の必要性を粘り強く説得し続け、納得するまで向き合う努力が欠けている」と冷ややかに語った。【土田暁彦、柴山雄太】

3/9(土) 7:12
毎日新聞
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