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2019年3月14日 / 07:45 / 8時間前更新
史上最悪の裏口入学事件、米大学には「予期せぬ恩恵」
Jennifer Saba
[ニューヨーク 13日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国のエリート大学では通常、裕福な家庭の子どもが有利となる。今回発覚した史上最悪の大学不正入学スキャンダルと、関与していた親たちの「特権」は、米国の高等教育が最富裕層の1%を重んじる実態を改めて浮き彫りにしている。

まさに驚きの事件である。 米検察当局は12日、子どもを名門大学に入学させるための詐欺行為に関与したとして、著名な女優や企業の幹部など約50人を訴追した。

その中には、米プライベートエクイティ(PE)のTPG[TPG.UL]のグロース・マネジングパートナーのビル・マクグラシャン被告や、法律事務所ウィルキー・ファー・アンド・ギャラガーの共同会長ゴードン・カプラン被告、テレビドラマ「デスパレートな妻たち」などへの出演で知られる女優フェリシティ・ハフマン被告などが含まれる。イエール大学などの名門校に子どもを入学させるため、賄賂を贈った疑いがある。

米司法省が12日明らかにした不正の手口は、第3者に替え玉受験や回答の修正を行わせたり、「スポーツ入学」の推薦を得るためにスタンフォード大やテキサス大などのスポーツコーチに賄賂を贈ったり、さらには実際にはスポーツ選手ではないのにまるで有力選手であるかのように受験者の写真を加工するなど、多岐にわたる。

マクグラシャン被告の場合、息子を南カリフォルニア大に入学させるため、上記のようなサービスを息子が受ける見返りとして、計25万ドル(約2800万円)の支払いに合意したとみられる。同被告と、捜査に協力した証人との会話記録は実に衝撃的だ。ただし、息子の関与を示すものはこれまでのところ出てきていない。

米国の教育制度は、すでにこうした富裕層の子どもに有利なようにできている。

入試準備クラスに通うことのできる富裕層の子どもたちは、ぶっつけ本番で試験を受けなくてはならない子どもよりも有利な立場にある。そのつながりは明確にはされないが、相当な額の慈善寄付を行うことは合格するためによく取られる手段だ。大学施設などの建設に十分な資金を提供した最富裕層には、入学が何世代にもわたって保証されることもあった。
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