読売新聞オンライン 2019/03/22 5:00
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190322-OYT1T50109/

 日本政府が、1856年にドイツで作られ、海上保安庁が保管していた世界地図の複製をドイツ政府に寄贈することになった。
世界地図にはドイツ語で「日本海」と表記され、古くから世界的に日本海の呼称が使われていたとする日本の主張を裏付けている。

 日本海の呼称をめぐっては、韓国政府が近年、韓国で使われている「東海トンヘ」の使用について、国際機関などへの働きかけを続けている。
これに対し、日本政府は、日本海の呼称は19世紀に広く使われ始め、韓国の主張は根拠がないとの立場だ。

 地図には銅版印刷の技術が使われ、1938年にドイツ政府から日本の海軍水路部(現在の海上保安庁海洋情報部)に贈られた記録がある。
入手の経緯は不明で、海上保安庁が現物を保管していた。
ドイツ側が「貴重な歴史資料」として複製の提供を求め、日本側が応じることにした。

 地図には、日本海の海域がドイツ語で「JAPANISCHES M」(日本海)と表記されている。
外務省幹部は「日本海という名称が世界的に認識されていた一つの証左になる」と話している。

 25日に独ハンブルクで寄贈式が行われる予定で、加藤喜久子ハンブルク総領事、ドイツ連邦海運水路庁長官らが出席する。

◇ ドイツ海運水路庁に寄贈される世界地図(外務省提供)
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