原子力規制委員会は3日、東京電力本社(東京都)が、原子力発電所などから寄せられた計33件のトラブル情報を放置していたと発表した。
原発の運転や管理のルールに違反していると認定し、改善を強く求めた。

 規制委が今年3月に実施した保安検査で、2013年4月から今年3月までの記録を調べて判明した。トラブル情報は、柏崎刈羽(新潟県)、
福島第一、福島第二の3原発などから寄せられた。原発を操作する中央制御室の機器や、非常時用発電機の部品の故障など、原発の安全に
直接関係するものも含まれていた。

 規制委の調べでは、東電本社の担当者がトラブル情報を集約する社内システムへの入力を怠ったという。上司も確認しておらず、各原発で
再発防止策も講じられていなかった。

 また、これとは別に、東電は、原発事故やトラブルの情報を共有するために電力会社やメーカーで設立した「原子力安全推進協会」から提供された、
国内外の原発の少なくとも計17件のトラブル情報も放置していたと発表している。

 東電は「作業の手続きがマニュアルに明文化されていなかった。再発防止に努める」とコメントした。規制委の更田豊志委員長は3日の記者会見で
「自らの施設を自らの責任で見ることができないと言っているようなもので、東電は厳しく反省してもらいたい」と批判した。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20190403-OYT1T50318/