https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201904/CK2019040402000148.html

駐日中国大使 孔氏起用へ
2019年4月4日 朝刊

 【北京=安藤淳】中国政府は、程永華(ていえいか)駐日大使(64)が退任し、後任に知日派の孔鉉佑(こうげんゆう)外務次官(59)を起用する人事を固めた。複数の日中関係筋が三日、明らかにした。
 孔氏は早ければ五月にも着任する。「ジャパンスクール」を続けて起用することで交流を拡大、国民感情の改善につなげ、日中関係を前進させる狙いがあるとみられる。中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は三日の定例記者会見で、「(大使交代などの)情報は今のところない」としたうえ「大使の任命や赴任には一定の手続きが必要だ」と述べた。

 朝鮮族出身の孔氏は黒竜江省出身で大学では日本語を専攻し、通算十五年にわたり日本に駐在。二〇〇六年から一一年まで在日中国大使館の公使を務めた後、駐ベトナム大使などを経て、一七年八月から北朝鮮核問題の六カ国協議で議長を務める朝鮮半島問題特別代表に就任した。

 歴代最長の九年余りにわたり大使を続けた程氏は創価大に留学後、一九七七年から在日大使館に勤務。アジア局副局長や駐日公使なども歴任。駐マレーシア大使や駐韓国大使を経て一〇年二月に駐日大使に就任。

 一二年九月の日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化などで両国の対立が激しくなる中、程氏は悪化した日中関係の改善に努め、昨年十月に実現した安倍晋三首相の訪中に尽力するなど環境整備を進めた。

(左)程永華駐日大使(右)孔鉉佑外務次官
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201904/images/PK2019040402100066_size0.jpg