【正論5月号】【サヨナラ平成 その光と陰】ポリコレという言葉狩りの時代 評論家 潮匡人
2019.4.6 01:00

トランプの「PC」批判

 二〇一六年七月、米共和党のトランプ大統領候補(当時)は、いわゆる指名受諾演説の冒頭部分で、こう述べた。

 「私たちには、もはや政治的な正しさ(politically correct )にこだわる

余裕はありません。ですから、もし皆さんが、片寄った偏見や巧妙に仕組ま

れたウソ、メディアが捏造した神話を聞きたいというなら、どうぞ来週の民主

中略

 そもそも「PC」とは《言葉の使い方に偏見や差別が含まれていないことを指す言葉である。日本語では「政治的に正しい」と訳される場合もあるが、一般的には「言葉狩り」を婉曲にオブラートに包んであたかも言論の自由を侵害するものではないかのように装うために言い換えているものであると認識されている》(フリー百科事典「アンサイクロペディア」)。

 堂々と「メリー・クリスマス」と言える国にしたトランプ政権を「ホンネ」の政治とすれば、それまでのオバマ政権やクリントン陣営は「タテマエ」の政治と言えよう。「タテマエ」を「綺麗事」と言い換えてもよい。さらに言えば、ホンネを覆い隠す「偽善」とも評し得よう。

 英語で「PC」、日本語でも「ポリコレ」と略称されるように、こうした現象はグローバルに起きている。残念ながら、平成日本でもタテマエないし綺麗事の偽善と「言葉狩り」が横行した。

https://www.sankei.com/smp/premium/news/190406/prm1904060004-s1.html
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