2019年4月29日 4時36分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190429/k10011900281000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_019

全国の救急医療の現場で、画像診断を行ったのに病気が見落とされるなどして治療につながらなかったケースが相次ぎ、去年までの3年間で合わせて12人の患者が死亡していたことがわかりました。

医療事故について全国の医療機関から報告を受ける日本医療安全調査機構は、国の制度に基づいて去年10月までの3年間に報告があった851件のケースを分析しました。

それによりますと、救急医療の現場でCTやエックス線の画像診断を行ったのに病気が見落とされるなどして治療につながらなかったケースが相次ぎ、合わせて12人の患者が死亡していたということです。

その内訳を見ますと、画像診断で緊急性の高い病気を見落としていたケースが7人、画像診断で病気が見つかったのに別の担当医師がその報告書を確認していなかったケースが2人などとなっています。

鮮明な画像を一度に大量に撮影できるCTの画像診断は病気の早期発見につながっていますが、画像診断の専門医が少ないなど体制が追いついていないとも指摘されています。

日本医療安全調査機構は、患者側が心がけることとして、「特に救急の場合は、すべての画像について当日に説明してもらうことは難しいので、後日の外来などで改めて画像診断の説明を求めることが望ましい」などとしています。