通年操業認める サンマ漁船出港

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/sendai/20190515/6000005530.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

水産庁がサンマ漁を1年を通じて操業することを認めたのをうけて、
石巻市の水産会社の漁船が15日、時期を前倒しして北太平洋でのサンマ漁に向けて出港しました。

出港したのは石巻市の水産会社が所有する「第一榮久丸」で、およそ198トンのサンマ漁船です。
サンマ漁はこれまで、日本近海にサンマが来る8月に解禁され12月まで行われてきましたが、
ここ数年の不漁のため水産庁が1年を通じて認めたことを受けて時期を3か月ほど前倒しして、出港しました。
漁船には17人の船員が乗り込み、石巻漁港に見送りに訪れた家族が手を振ったり、
漁船と結んだテープを握ったりしていました。

第一榮久丸は北太平洋の公海=公の海でおよそ2か月間、サンマ漁を行う予定だということですが、
漁場までは3日間かかるうえ、この時期にどの程度、魚がとれるかはわからないということです。

漁船を所有する今野水産の工藤眞秀部長は、
「5月の漁は初めてのことで、われわれ事業者として採算がとれるのかはまだわからない。
本当であれば旬は秋なので、その時期の脂の乗った魚を提供したいが、
ことしの結果をみて来年どうするか決めたい」と話していました。

サンマの漁獲量は、おととしが8万3000トンとおよそ50年ぶりの記録的な低水準になるなど不漁が続いています。
このため、これまでは、サンマが日本近海に来る8月から12月に限っていた漁の期間について、
業界団体が規制の緩和を求めていました。

水産庁は通年での操業を認めることをことし3月の審議会で決めていて、
こうした対応がサンマの漁獲量の増加につながるか注目されています。

全国有数のサンマの水揚げ量を誇る女川港では、この時期にとれたサンマの質がまだわからないことから、
当面の間はこの漁でとれたサンマの水揚げを見合わせることにしています。
女川港のサンマの水揚げ量はおととしがおよそ9500トン、去年が1万5500トンと、
記録が残る中で最も多かった平成21年のおよそ4万200トンの半分以下になっています。

女川魚市場の加藤實社長は、
「震災以降は不漁が続いていたので、漁業者が5月から
サンマ漁をやるという話は市場としては大賛成です」と話していました。
その一方で、この時期にとれるサンマについて、
「市場としても魚の鮮度や品質を気にしているが、脂がのってすばらしい秋のサンマとは違うのかなと思う。
漁場も遠いので、サンマ自体がどういうものが来るのかわからない」
として、当面の間は今回の漁でとれたサンマの水揚げを見合わせるということです。

05/15 15:20