https://jp.reuters.com/article/mideast-tanker-kemp-idJPKCN1TF0SV

2019年6月14日 / 10:13 / 3時間前更新
ホルムズ海峡緊迫、真のリスクは「制御不能」の危機
John Kemp
[ロンドン 13日 ロイター] - イランとオマーンの間に位置する海上交通の要衝ホルムズ海峡は、かつてこの地に存在したホルムズ王国が名前の由来だ。この狭い海峡は、1979年のイラン革命以来、原油トレーダーの関心を一手に集め続けている。

イランはこれまで、敵対国の輸送船に対して海峡を閉ざすとたびたび脅し、米国やその同盟国は、必要とあれば武力行使で海峡の交通を維持し、航行の自由を確保すると反発してきた。

この海峡は、中東全体の対立、そしてイランに対抗する米国とサウジアラビアの火種の象徴となっている。

海峡の入り口のすぐ南のオマーン沖で13日、日本の石油タンカーを含む2隻が攻撃を受けて立ち往生し、イランと米国の対立が新たな局面に突入するのではとの懸念が広がった。

「ホルムズ海峡は、石油輸送では世界で最重要の難所である」と、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は指摘する。

世界で海上輸送される原油や原油製品の約30%が毎年この海峡を通過しており、もし閉鎖されれば、世界の原油供給が大打撃を受ける。

1980─88年のイラン・イラク戦争当時は、両国ともに石油タンカーを標的にした。イラクはペルシャ湾北部に位置するイランのハールク島で原油を積み込み中の船を攻撃し、イランはさらに南の海峡内で船を攻撃した。

この「タンカー戦」では、米英に加え他の数カ国が、地域の中央部や南部の輸送を守ると表明し、護送船団を組織した。
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