日銀が27日発表した資金循環統計(速報)によると、2019年3月末の家計金融資産残高は1年前に比べて0.3%増の1835兆円だった。「家計の所得環境の改善」(日銀)に伴い、現預金の残高が増えた。

年度末としては統計を開始した04年度末以降で最高だった。日銀は四半期ごとに統計を公表しており、四半期ベースでみると4番目に高い水準となった。過去最高は世界的な株高となった18年9月末だった。

3月末時点の現預金は前年比1.9%増の977兆円と、年度末としては過去最高を更新した。家計金融資産に占める比率は5割を超える。

一方、株式等の残高は9.5%減の183兆円だった。米中貿易摩擦で株価が下がった要因が大きい。取引額でも11四半期連続で資金流出となり、「貯蓄から投資へ」の流れは足踏みしている。

2019/6/27 10:55
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46630370X20C19A6EAF000/