8/2(金) 18:10配信
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れいわが訴えた財政政策のベース「MMT理論」って何?

 消費税の撤廃や国債増発など、MMT(現代貨幣理論)をベースにした財政政策を訴えた「れいわ新選組」が参院選で220万票以上を獲得しました。MMTは異端の経済学と認識されることが多い理論ですが、れいわが政党要件を満たしたことで、今後の政局ではMMT理論が争点になる可能性も出てきました。そもそも、MMT理論とはどのようなものなのでしょうか。また、実現は可能なのでしょうか。

日本で実行すれば、名目GDPは急拡大か

 MMT理論は、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授などが提唱している理論で、簡単に説明すれば、自国通貨建てであれば、インフレが発生するまで財政出動が可能というものです。金融政策ではなく財政出動に効果があるという点ではケインズ経済学に似ていますが、中央銀行による国債の引き受けによって資金を供給するという点においては量的緩和策とも共通点があります。

 従来の主流派経済学では、政府の財政赤字が拡大すると、金利の上昇や民間の設備投資の停滞を招くため、過度な財政出動は弊害が多いという認識でした。日本政府は1000兆円を超える政府債務を抱えていることから、これ以上の財政出動は危険であるとの認識が高まり、金融政策で景気を刺激する量的緩和策に舵を切ったという経緯があります。 ところが日本では量的緩和策を実施しても、日銀が供給したマネーのほとんどは日銀当座預金に積み上がったままで、ほとんど市中に出回らず、思ったような効果は発揮できませんでした。これを財政出動に回せば、大きな効果があるというのがMMT支持派の見解です。

 確かに金融政策の場合、民間が自発的にマネーを使わない限りはGDP(国内総生産)が増えませんが、財政出動の場合には直接的な支出となりますから、即効性が期待できます。もし日本でMMTを実行すれば、名目GDPは急拡大すると予想されます。

MMTによるインフレを懸念

 MMTに対しては、主流派経済学の支持者から否定的な意見が寄せられていますが、その多くはやはりインフレ懸念に集中しています。MMTの支持者は実際にインフレが始まった場合には、財政出動を止めればよいと主張しており、れいわ新選組も、インフレ率が2%を超えた場合には、財政出動を止めるとしています。

 しかしながら、一旦、インフレが始まってから、引き締めによってこれをストップするのは容易なことではありません。れいわ新選組は、最低賃金1500円、奨学金の政府による肩代わり、公務員の大増員、農家の所得補償、公共事業の大幅な拡大といった巨額の財政支出を消費税を廃止した上で実施するとしています。このような状況で財政出動を止めてしまうと、生活が困窮する人が続出する可能性があり、場合によっては国民からの猛反発も予想されます。こうした中で、財政出動停止というドライな判断を下せるのかは微妙なところでしょう。


(The Capital Tribune Japan)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190802-00010007-wordleaf-bus_all

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