LGBTカップル、初公認 熊本市、婚姻と同等の関係
熊本日日新聞2019/8/9 10:00 (JST)8/9 11:10 (JST)updated
 熊本市は8日、性的少数者(LGBT)のカップルを婚姻と同等の関係として認める「パートナーシップ制度」に基づき、市内在住の2人をパートナーとして公認した。市が今年4月に導入した同制度の利用第1号。自治体による公認は県内で初めて。

 戸籍上は女性で自身を男性と認識し、性同一性障害と診断された凪[なぎ]さん(23)=仮名=と、パートナーになった女性(22)は中学の同級生。凪さんが長く女性に好意を寄せ、今年に入って本格的に交際を始めたという。

 市役所を訪れた2人は同制度に基づき、互いを人生のパートナーとする宣誓書を提出。多野春光副市長が「互いに励まし合うことで人生は楽しくなる。協力して歩いてほしい」と祝福し、受領証を手渡した。

 取材に応じた2人は「カップルとして認められた安心感があり、うれしい。家族や知人も私たちに対する理解を深めてほしい」などと語った。

 市などによると、同制度は2015年の東京都渋谷区を皮切りに各自治体が導入。7月3日までに福岡市や宮崎市を含む24自治体が設け、計521組が公認を受けている。

 熊本市では家族と同じ扱いで市営住宅の入居が認められること以外、行政サービス上のメリットはない。一方、生命保険業界では、パートナーも保険金の受取人に指定できるようにする動きが広がっている。(山口尚久)

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