https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20190814-00138304/

「表現の不自由展・その後」中止めぐる「週刊新潮」「産経」の報道と緊急局面
篠田博之 | 月刊『創』編集長
8/14(水) 7:00

 『週刊新潮』8月15・22日号が「公金10億円が費やされた『表現の不自由展』にあの黒幕」という記事を掲載した。「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が中止になった問題を取り上げたものだ。

 グラビアには「あいちトリエンナーレ大炎上!幻となった『作品』たち」と題して、出品されていた作品や会場を写した写真も掲載されている。8月3日夕方に中止が発表されて同誌発売が8日だから、短期間での取材といういつもながらの機動力には感心する。

 でも「『表現の不自由展』にあの黒幕」という見出しに「黒幕」とはいったい誰なのかと思って読んでみたら、永田浩三さんのことだったので、驚いた。

 「表現の不自由展・その後」の出品作品の決定は5人の実行委員会が行った。津田さんが会田誠さんの「檄」を含めてはどうかと提案したが断られた。ーー津田さんへの取材をもとにそういう話が書かれた後に、実行委員の一人である永田さんが、かつてNHK改変事件の時のプロデューサーであり、慰安婦問題には以前から関わってきたことが明かされる。それも匿名の事情通が「実は…」と切り出す形で永田さんの経歴が語られる。記事はそういう内容だ。

 でも、永田さんがそういう経歴であることは、半ば周知のことで、ちょっと調べればわかることだ。本人自身がいろいろな集会で発言するつど、そんなふうに自己紹介している。別に隠された事実ではないのだ。それを敢えて「黒幕」と呼んで仰々しく見出しにまで掲げるのはどういうことかと首を傾げるが、ヒントになりそうなのは記事中に書かれた、永田さんが同誌の取材を断ったという話だ。それも永田さんが「どうせ面白おかしく書くんでしょう。取材はお断りです」と言って断ったという。恐らくこれに同誌記者がカチンときて、意趣返しの感情がこもったのではないだろうか。

関連の動きで気になることが…
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