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飲料水のマイクロプラスチックは「健康リスクなし」=WHO
5時間前
2019/08/22

イモーゲン・フォークス記者、BBCニュース(ジュネーブ)

プラスチックが破壊されて細かくなった「マイクロプラスチック」による海洋汚染が世界中で問題になっている中、世界保健機関(WHO)は22日、「マイクロプラスチック」が混入した飲料水について、現状の検出レベルでは健康リスクはないとする報告書を公表した。

マイクロプラスチック問題に関する初の報告書によると、WHOは、大きな粒子と、小さな粒子のほとんどが、体内で吸収されることなく排出されると確認した。しかしこれは、「限られた情報」に基づいたものだという。

WHOは、「われわれは、さらに多くのことを緊急に知る必要がある」と述べ、より大規模な調査を行う必要があるとしている。

報告書の内容

マイクロプラスチックとは、長さ5ミリ以下のプラスチック片のことで、世界中の河川や湖、水道水やボトル入り飲料水への混入が確認されている。

では、人間の健康にとって何を意味するのか?
報告書によると、現状の検出レベルでは、マイクロプラスチックによる健康リスクはないとみられるという。一方で、さらなる調査が必要だとしている。

水に混入したプラスチック片に関する、適切な研究は、過去数年の間にようやく始まったばかりだ。そのため、WHOが認めたように、裏づけとなる情報は限られている。
その上、これまで実施された研究には、基準が設けられていなかった。異なる研究者らが、異なる水源に含まれるプラスチック片の数を測定するために、異なるフィルターを使用していた。

WHOのブルース・ゴードン博士は、「1つの水源からは、1リットルあたり1000のマイクロプラスチックが検出され、別の水源からはわずか1つしか検出されなかったとすれば、それは単純に、使用されたフィルターのサイズによるものだ。研究方法としてかなり信頼度が薄弱なものであると言える」と説明した。
それでもなお、ゴードン博士は、現在用いられている研究が、消費者に「相当の安心感」をもたらしているはずだと主張。WHOも、すべての大きなプラスチック片と、小さなプラスチック片のほとんどが、まったく体内へ吸収されずに排出されると、研究結果が示しているとしている。

何をすべきか
(リンク先に続きあり)