一見、何の変哲もないお刺身だ。ところが実はこれ、「羊羹」だという。

この写真をツイートした前川さなえさんによれば、「刺身は羊羹、醤油差しに入っているのは黒蜜、下に敷いてあるツマはカルピス味の寒天」とのこと。どうみても刺身にしか見えないが、正真正銘の羊羹なのだそうだ。

こちらの「刺身羊羹」は、三重県四日市(よっかいち)市にある「ことよ」という和菓子店が販売している。
なぜ、刺身の見た目をした羊羹を作ろうと思ったのか。Jタウンネット編集部は電話で詳しい話を聞くことにした。

「本物より本物らしく作ろう」

投稿者の前川さなえさんは、ブログ「ぷにんぷファミリー」を運営している漫画家・イラストレーター。三重県の四日市在住で、ほのぼのとした身の周りのエピソードを発信している。

Jタウンネット編集部が、ツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で刺身羊羹について聞くと、

「お店で見かけて『子どもたち喜ぶかも!』と買って帰り、和菓子だと言わずに出してみたら......『うそだぁ!...(食べて)ホントだー!』と喜んで食べていました。刺身羊羹もビジュアルの面白さだけでなくちゃんとおいしかったです」と答えた。

見た目だけではなく、味でも楽しませてくれるという刺身羊羹。いったい、どんなきっかけで作られるようになったのだろうか。Jタウンネットが2019年8月22日、「ことよ」代表取締役の岡本伸治さんに話を聞くと、

「これまでも雛寿司や鰻のかば焼きの和菓子を販売していました。今回の刺身羊羹は、初めての試みで、お盆期間の限定商品として販売したものです。すぐに売り切れてしまいました」

あまりの反響の大きさに驚いたそうだが、「おはぎとか水羊羹とか、他のお菓子を作るのに忙しくて(笑)、その時は補充できませんでした」と岡本さんは苦笑する。

「本物より本物らしく作ろう、というのが、私のモットーなんですが、今回も本物の刺身を 食べながら、じっくり観察しながら、どう作ろうかと考えました。
容器も、スーパーで実際に使われているものと同じにして、リアル感を追求しました。そのへんのこだわりを楽しんでいただければと思いました」

岡本さんは、創作菓子を作るのが好きで、以前、「TVチャンピオン』という番組の和菓子職人王選手権に出場し、本物そっくりのグラタンやチーズフォンデュの和菓子を作った経験もあるという。

「思わずほっこりする、笑顔があふれるような和菓子を作りたい、というのが私の願いです。皆さんに笑って食べていただけるような菓子を作りたいと思います。店名『ことよ』の前に夢菓子工房とつけたのも、そのためです」と、岡本さんはきっぱり断言する。

お盆限定で、売り切れとなってしまった刺身羊羹だが、SNSでの大反響に応えて、急遽、8月24日から販売が再開される予定だ。「どう見ても刺身にしか見えない羊羹」を食べて、ほっこりしたい人は、三重県のお店までどうぞ。

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