札幌市の「札幌もいわ山ロープウェイ」のゴンドラが鉄塔に衝突して乗客2人が軽傷を負った事故で、24日の事故と同様に過剰な負荷による異常を検知してゴンドラが非常停止するトラブルが2015年以降、5回発生していたことが27日、わかった。運営する札幌市の第三セクター・札幌振興公社は、いずれも事故に至らなかったため対策を講じていなかった。今回の事故を受け、公社は点検のため27日の始発便から再び運休している。

 非常停止したのは15年5月、17年4月、同年6月、18年7月、19年4月の計5回で、いずれも乗客を乗せて運行中だった。各回とも停止後に運転室で運行を再開するボタンを操作したところ、ゴンドラが動きだしたためケーブルや滑車に異常はないと判断した。公社によると、ゴンドラは異常があれば動くことはないという。5回とも乗客にけがはなかったため、公社は事故ではないと見なし、北海道運輸局や市に報告をしていなかった。

 24日の事故を受けて、北海道運輸局は26日に運行現場を調査。ロープを巻き上げるモーターのセンサーが過負荷を検知して制動装置が作動したとの見方を示したが原因の特定には至らず、装置の誤作動の可能性も指摘した。公社に対しては同日付で再発防止を求める行政指導を行った。

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