取り調べを受けた際に不当に採取されたDNAデータなどを警察が法的根拠なく保管しているのはプライバシーを侵害し憲法違反だとして、あま市の20代男性が5日、国と県にDNAや指紋、写真データの抹消と慰謝料300万円を求め、名古屋地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は今年1月3日、あま市内の立ち入り禁止の用水路内でつりをしたとして、軽犯罪法違反の疑いで津島署で取り調べを受けた。その際、DNAと指紋を採取され、顔写真も撮られ、「捜査としての必要性を説明されず、人身の自由、プライバシー権を侵害された」としている。

 男性の弁護士によると、DNAデータは警察庁が管理保管しているが、運用基準を定めた根拠法はないという。県警は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【川瀬慎一朗】

毎日新聞 2019年9月6日
https://mainichi.jp/articles/20190906/ddl/k23/040/056000c?inb=ra