→10年債利回りの低下で3カ月物との逆イールド、マイナス幅は高水準
→金利市場が金融当局に行動を強いている−バートリニ氏

米国債利回り曲線(イールドカーブ)はリセッション(景気後退)の可能性を示唆してきたが、それを裏付ける証拠が増えつつある。

  3日に発表された8月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数が市場の予想に反して低下し、夏休みの最後を満喫して職場に戻った米国のトレーダーらは穏やかでない状況に直面することになった。

  同統計をきっかけに、利回り曲線の中でリセションシグナルとして信頼に足ることが証明されている部分の逆イールドはさらにその傾向が強固となった。米10年物債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.43%を付けた。その結果、10年物と3カ月物のスプレッド(利回り格差)は、現在のサイクルで初めて逆転した3月以降でほぼ最大のマイナスとなった。
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 ティー・ロウ・プライスの債券ポートフォリオマネジャー、スティーブン・バートリニ氏は「米金融当局に行動を強いているのは基本的に金利市場で、当局は行動に消極的だ」と語った。

  米国では7月の0.25ポイントの引き下げに続き、9月に追加利下げとの見方が大勢。3日の指標を受け、トレーダーらは年内の利下げ観測を修正し、少なくとも0.50ポイントの追加利下げを見込む。

  バートリニ氏は、連邦準備制度が経済に対するリスクへの対処でより積極的な行動を示唆しなければ、逆イールドの傾向が一段と強まると予想。それが進むもう一つの条件は「貿易問題が改善されないことで、これはかなり可能性が高いと思う」と語った。

原題:Yield Curve’s Dark Vision for Growth Backed by Factories Slump(抜粋)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-03/yield-curve-s-dark-vision-for-growth-backed-by-factories-slump

Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-04/PXAAPZT0AFB701