https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190910/k10012074061000.html

長引く停電 専門家「かなりの数の電柱倒れ 復旧に時間」
2019年9月10日 18時59分生活影響

台風15号の影響で千葉県を中心に広い範囲で停電が起きていることについて、電力システムに詳しい東京電機大学の加藤政一教授は、復旧にはそれなりの時間がかかるとし、その理由として、「かなりの数の電柱が倒れたり、倒木で電線が切断されたりと強い風によるさまざまな要因で広範囲に停電が起きている。こうしたケースは現地に行かないと具体的な被害状況が分からないが、倒木などで近づけないことも多い。このため大量の機材や人員を投入しないと対処ができず、時間がかかってしまう」と話しています。

また、去年も台風によって関西や中部で大規模な停電が起きたことに触れ、「従来は風に対して基準を満足するような形で電柱などが作られてきたが、最近はそれを上回るような風による被害が増えてきた」と話し、従来の基準では対応できないという考えを示しました。

そして対策については「台風だけでなく地震などもあり、より強い電柱や鉄塔に今後、置きかえていくことが対策としてはある。また、都市部などでは地下に電線をはわせて、無電柱化するとより信頼性が上がる。結局そういった地道なインフラの整備が長期的に見て電力供給全体の強じん化につながっていく。しかし、その一方で、多くのコストもかかるので、時間と費用との兼ね合いを見て、どのような対策をとるか判断していく必要がある」と話しています。

そのうえで、加藤教授は「まずは電気を使う私たちが台風や地震で停電したときにどうすれば身を守れるかを考え、日頃から備えていくことが大事になる」と話しています。

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