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奈良県東吉野村の観光旅館で、大切に育てられてきた『藤の木』が無断で伐採されました。
伐採したのは関西電力の職員だったのですが、何故このような事態は起きたのでしょうか。
「お客様にはお詫びをしておりまして、今後とも誠心誠意の対応をしたい。」(関西電力 岩根茂樹社長)
9月26日の定例会見で謝罪した関西電力の岩根茂樹社長。何が起きたのか…。
問題の舞台となったのは奈良県東吉野村の観光旅館「杉ヶ瀬」。9月3日、宿の入口に植えられた『藤の木』が
無残にも根元からバッサリ切られ、枯れてしまったのです。
「これが一番太い枝なんですが、これが全て切断されている状態です。」(旅館「杉ヶ瀬」 明後邦彦社長)
肩を落とすのは、旅館の明後邦彦社長。30年間、大切に育ててきた藤の木は、毎年5月頃にきれいな花を咲かせて
宿泊客を迎える自慢の藤棚でした。
「30以上年輪があるので、ここまでツルが太くなるのには年月がかかりますので、残念ですね。」(明後邦彦社長)
一体、誰が…。その答えは旅館の防犯カメラ映像に。

【防犯カメラの映像内容】
9月3日午前11時半過ぎ、軽トラックがやってきます。車から降りてきた男性の手にはノコギリのようなものがあり、
藤の木のそばでしゃがんで作業をしています。去っていく車をみえると『関西電力』の文字が。
「まさか関西電力さんが、というのがありましたので。」(明後邦彦社長)
問い合わせた結果、『ツルが電柱に巻き付き、保安上の観点から伐採した』ということがわかったのです。
関西電力は無断で敷地内に入り伐採したことを認めて旅館に謝罪。藤の木の苗を植えなおすことを提案したといいますが…。
「今植えたところで30年経たないと元に戻りませんし。元の状態に戻して頂きたいですね。」(明後邦彦社長)
枯れた藤の木は後日撤去され、その量はトラック1台分にもなりました。関西電力は「保安上の理由で藤の木を伐採してしまった」
と説明しています。木の枝などが電線に接触しているのは街でも見かけることはありますが、どのような危険があるのでしょうか?
「ツルが巻き付くことによりまして、ショートや停電するとか、保安上の課題が出てまいります。」(関西電力 岩根茂樹社長)
5月から9月にかけてはツルの成長が早く、こうしたケースも少なくないといいます。庭などで伸びすぎたツルや枝の管理は
自分でするのが基本ですが、電線に接触しているなど危険な状態である場合は「関西電力の窓口に相談して欲しい」としていうことです。