ソフトバンクグループ株が30日、自己株買いを発表した2月6日以来の安値となった。自社株買いで引き上げられた株価が振り出しに戻った格好。
出資する米ウィーワークの上場延期のほか、中国アリババ・グループ・ホールディング株も下落するなど、保有資産価値に不透明感が出ている。

ソフトバンクG株は一時、前営業日比3.6%安となる4197円まで下落した。午前10時44分現在は同3.3%安。
同社は2月、国内通信子会社ソフトバンク株の新規株式公開(IPO)から得られた資金で6000億円規模の株式取得を行うと発表し、4月には株価は6045円まで上昇していた。

しかし9月にはウィーワークの株式価値が大きく低下したことが判明。シェアオフィスを手掛けるウィーワークは、
共同創業者アダム・ニューマン氏が24日に最高経営責任者(CEO)職を退き、IPOも来年まで延期する可能性が高まっている。

筆頭株主である配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズ株も5月の上場後、3割超下落している。
27日には中国企業の米株式市場での上場阻止を含むさまざまな措置をトランプ政権が検討しているとの先週の報道を受け、アリババ株も5.2%下落した。

孫正義社長は2月の自社株取得発表時、自社の時価総額9兆円について「私は安過ぎると思う」と発言し、「どういう行動をするかと言えば、自社株買いをする。全て消却する予定」と述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-09-30/PYMCH2DWX2PT01