福岡青年会議所(JC)は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の福岡市への誘致を求める提言書を経済団体や同市に提出する方針を明らかにした。提言書は「IRは九州とともに」がコンセプトで、「九州の玄関口」である同市への誘致によって経済波及効果を九州全域に拡大できるとしている。

 提言書では、都心近くに空港や港、新幹線駅がある福岡市の利便性の高さを強調。カジノのほか大型会議場や商業施設、高級ホテルなどで構成するIRの誘致で都市の交流機能が高まると訴えている。来場者の回遊性も高めることで、九州全体の底上げにつながることを前面に打ち出した。

 候補地には「西戸崎・志賀島」「九州大箱崎キャンパス跡地」「博多港中央埠頭(ふとう)」「小戸・能古島」の4地区を挙げている。

 提言書は、10月中に九州経済連合会や福岡商工会議所などに提出し、各団体の賛同も得た上で市に誘致を働き掛けていく考えだ。

 30日夜には福岡JC主催のIRシンポジウムがあり、同JC未来都市デザイン委員会の戸嶋太一委員長は「九州のゲートウエーを担う福岡の街にIRを誘致したい。九州とともに福岡の街が成長するきっかけをつくりたい」と呼び掛けた。同市では、現時点で経済界も行政もIRを検討していないが、誘致の動きにつながるか注目されそうだ。 (泉修平)

https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/547463/