北朝鮮の新型SLBM、日本全土が核攻撃の標的に 「北極星3号」を迎撃するための2つの条件とは
JBpress 2019.10.6(日) 数多 久遠
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57835

(省略が多いのでリンク先へどうぞ)

10月2日、北朝鮮がSLBMを発射したことを報じるテレビニュースを見る韓国・ソウルの市民。(写真:AP/アフロ)
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10月3日に北朝鮮の「労働新聞」に掲載された新型SLBMの写真
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●報復核攻撃に用いられるSLBM

核の3本柱
(1)ICBM(大陸間弾道弾)
(2)SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)+弾道ミサイル搭載潜水艦
(3)戦略爆撃機

潜水艦核ミサイルは祖国が消えた後、報復で敵国を滅ぼすもの。

●SLBMはアメリカに対する最強の抑止力に

●沖縄を含む日本全土が射程に

 防衛省は今回のミサイルについて、水平飛距離約450キロメートル、
最高高度は約900キロメートルであったと発表しています。
もしもこのミサイルを射程が最大となる最小エネルギー弾道で発射すると、
飛距離は2500キロメートルにも及ぶ可能性があります(防衛省発表)

 しかし、この飛距離では、北朝鮮沿岸からアメリカ本土やグアムには到底到達できません。
アメリカ本土を攻撃するためには、西岸のサンフランシスコなどが目標であったとしても、
ハワイと米本土の中間付近まで進出する必要があります。
静粛性に乏しい北朝鮮の潜水艦では、その位置まで到達するのは到底不可能でしょう。
そのため、北朝鮮が最終目標とするSLBMによる対米抑止には不十分です。

 ただし、これは今回の発射が、このミサイルの最大性能での射撃テストであったことを前提としています。
今回のテストが、意図的に性能を押さえられたものであれば、飛距離はもっと長い可能性があります。

●極めて憂慮すべき存在、嘲笑するのは危険

 分離された2段目が点火しなかった、
あるいは2段目に燃焼材が少ししか入れられなかったなどの理由で点火後にすぐ燃焼を停止したため、
1段目と2段目が非常に近い経路を通って落下した可能性が考えられます。

 この推測が正しければ、2段目のロケットモーターが本来の性能を発揮した場合、
飛距離は今回の発射よりも大幅に伸びる可能性があります。

 ネット上では、最大飛距離が2500キロメートル程度に留まり、
プラットフォームが静粛性に乏しい潜水艦であるため嘲笑する向きもありますが、
これは危険です。防衛省・自衛隊は、レーダーの情報だけでなく、
おそらく発射地点近傍で観測していた潜水艦が得た情報などを総合し、
詳細な分析を進めているでしょう。

●迎撃するための2つの条件

 1つは、北朝鮮潜水艦の位置を把握できており、弾道ミサイルを迎撃する準備ができていることです。
ミサイルの発射に気づいても、座標がわからなければ迎撃できません。
 もう1つの条件は、潜水艦が日本に近づき過ぎていないことです。
座標がわかっても、近すぎて間に合いません。
 つまり、このSLBMが日本にとって脅威であるか否かは、
ひとえに北朝鮮の潜水艦の動向を常に把握し続けられるかどうかにかかっていることになります。

 現状では、日米の対潜水艦作戦能力は、北朝鮮潜水艦の能力大きく凌駕しています。
複数の北朝鮮潜水艦を常時監視するとなれば、自衛隊にも大きな負担がのしかかることは間違いありません。

●なぜこのタイミングだったのか?

中東に加えて、極東でも軍事行動を行うほどの余力は、今のアメリカにありません。


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日本、北朝鮮SLBMに対応苦慮 捕捉・迎撃難しく 防衛強化へ負担増
2019/10/6 0:37日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50660670V01C19A0EA3000/

北朝鮮が2日、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したことを受け、日本政府に懸念が広がっている。
日本が射程に入り発射地点や発射の兆候が分かりにくく、迎撃が難しいためだ。
ミサイルを発射する側に比べると迎撃する側のコストも莫大になる。

今回のミサイルは北朝鮮が2016年に発射したSLBM「北極星」、17年の同「北極星2」の改良版だとみられる。

出力が上がり射程が伸びたもようだ。今回は通常よ…