https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/post-13125.php
<たびたびメディアを騒がせるロシアのプロモボット社が、誰にでも似せられるアンドロイドの量産を始めた>
 ロシアのプロモボット社が、オーダーメイドで誰にでも似せられるヒューマノイド型ロボット「アンドロイド・ロボC」の大量生産を始めた。
目や眉毛や口などを自在に動かして、人間の表情をまねることもできる。質問にも答えられるし、パートナーも務められるという。
少なくとも、プロモボット社はそう主張している。同社によれば、このロボットは特別に進化した人工皮膚をもっているので、600以上の表情が作れるのだという。

<参考記事>【動画】ロシアの「最先端ロボット」には......実は人が入っていた

「どんな顔のロボットでもご注文下さい。ビジネス用にもプライベート用にもお使いになれます」
と、プロモボットの取締役会会長アレクセイ・ルチャコフはプレスリリースにこう書いている。
「マイケル・ジョーダンがバスケットボールのユニフォームを販売してくれたらどんなに素晴らしいだろう、そう思いませんか?
 博物館で、ウィリアム・シェークスピアが自作を朗読してくれたら素晴らしくないですか?」

■どこまでが本当か
「我が社では、特定の人物が好んで使う言葉を使って言語モデルを作ることができるので、このロボットは、自分がコピーした人物がよく使う表情を作り、
知識をひもといて、質問に答えたり会話をすることができる」
すでに個人から数台の注文がきているほか、顧客サービスに使おうという企業からの問い合わせは引きも切らないと、同社は言う。
同社の共同創業者オレグ・キボクルトフは国営タス通信に、これからはこのロボットを月20台生産する計画だと語った。

<参考記事>W杯での集客見越し、ロシア初ロボット売春宿がオープン

 プロモボットが新聞の見出しを飾るのはこれが初めてではない。
2016年には、同社のロボットの1つが研究室から脱走しようとした、と発表した。
最初の時は、閉め忘れたドアから抜け出し、研究室から45メートルほどのところで捕まった。
一週間後には、プログラムをやり直したにもかかわらず、再び脱走を試みた。
多くのメディアは、宣伝目的のでっち上げだと思っている。

また今年1月には、同社のロボットがラスベガスのCES(毎年恒例の家電分野のトレードショー)会場の外でテスラの自動運転車モデルSにはねられ「殺された」と主張した。
広く報道されたこの話もでっち上げとみられている。

一方4月には、国営ニュースチャンネルのロシヤ24が、「アンドロイド・ロボC」の初期モデルを使ってニュース速報を流し始めた。
だがBBCによれば、評判はよくない。視聴者によれば、政治的プロパガンダばかり流れてくるのだという。

画像:注文があればマイケル・ジョーダンそっくりにすることもできるというアンドロイド PROMOBOT
https://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2019/10/promobot-thumb-720xauto-169768.jpg