津市で障害者を雇用して農業生産を行う一般社団法人・一志パラサポート協会は、雑草スギナを「スギナ玄米茶」に加工して収益品目に昇華させた。JA三重中央の農産物直売所などで売れ行きは好調。今後は大型乾燥機も導入して生産拡大したい考えだ。

 考案したのは同法人の職業指導員で、イチジク農園を経営していた川原田憲夫さん(75)だ。地域活性化のために加工食品を作ろうと考えていた。一方、法人のハウスイチジク栽培では、難防除雑草のスギナが、ハウス内に繁茂してしまうのが悩みの種となっていた。そこで、川原田さんは発想を転換。スギナが漢方として使われることに着目し、乾燥させて茶にしようと試みた。

 収穫したスギナは、枯れている部分を取り除き選別。緑色が失われないように陰干しで乾燥する。乾燥時間や粉末の細かさ、玄米との混合割合など、試行錯誤を重ねて飲みやすさを追求。2018年に商品化した。今では年間でティーバッグ1100個ほどを製造している。

 同法人は就労継続支援B型事業所「スマイルコーン」を運営する。施設の利用者も、スギナの収穫や選別はしやすいという。川原田さんは「イチジクは肥料にカルシウムを多く使う。それがスギナが増える原因の一つ。他の雑草が少ない点も、イチジクハウスがスギナ栽培に適していた」と話す。

 法人ではドクダミ茶も作り、スギナ玄米茶と合わせて生産を拡大する計画だ。大型乾燥機も導入する予定だ。川原田さんは「認知度が徐々に上がってきた。さらに収益を上げ、利用者の工賃アップにつなげたい」と意欲を見せる。

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