【ニューヨーク=大島有美子】国連のグテレス事務総長は15日、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の閉幕を受け「がっかりした」との声明を出した。「国際社会が気候危機に立ち向かうために熱意を高め、適応し、財政的に工面する重要な機会を失った」として具体策を欠いた合意に対する懸念を表明した。

グテレス事務総長は「全ての国はあきらめてはならないし、私もあきらめない」と述べた。2020年に向けて各国への働きかけを強化する意向を示した。

COP25の合意文書は対策の強化が必要との内容を盛り込んだが、義務付けず、上積みの幅も各国の判断に委ねる結果となった。温暖化ガスの削減に前向きな欧州勢や、消極的な米国などとの姿勢が折り合わず、会期を延長して協議を続けていた。

国連では9月、グテレス事務総長が主導する形で気候行動サミットが開催された。欧州など77カ国が50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすると表明したが、日本や米中は含まれず、各国の足並みがそろわないまま終わった。

2019/12/15 23:27 日本経済新聞
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