2023年春の北陸新幹線金沢―敦賀間の開業に向けたレールの敷設が、2020年春に福井県福井市北東部の福井高柳高架橋を皮切りに順次始まる。
同市寺前町の高架橋上には既にレールが運び込まれ、準備作業に入っている。これまでの高架橋の建設やトンネルの掘削といった土木工事に続き、いよいよ設備面の整備という次の段階へ進む。

建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構などによると、レール1本の長さは25メートル。県内区間(74キロ)分は約1万3千本で、19年9月から20年春にかけて福井、敦賀両港から陸揚げされる。
その後、高架橋上やトンネル内に設けられた9カ所の軌道建設所へ搬入。8本を溶接してつなぎ合わせ、200メートルにする。

その中で先頭を切って作業をスタートさせたのが、福井高柳高架橋での建設所。現場では2019年12月下旬に溶接作業に入り、作業員10人が溶接をした後、溶接部分のでこぼこを磨いて平らにしている。

同機構の福井鉄道軌道建設所によると、ここではレール624本を溶接し、78本に仕立て直す。順調に進めば2020年2月ごろから工事機器用の仮軌道を設置し金沢―敦賀間のトップを切って4月にレール敷設が始まる。

高架橋に続き、南越前町の新北陸トンネル坑内でも2020年5月ごろに敷設に入る計画。同機構大阪支社は「敷設は21年度中に終える計画」としている。

一方で土木工事は県内区間全体での工事進捗率は2019年11月末現在51%で「後半戦」に突入している。南越前町から敦賀市へと至る全長約19・7キロの新北陸トンネルは2020年春ごろに貫通する予定となっている。
全体を六つの工区に分けて掘削しており、5工区は既に完了。掘削の進捗率は97%に到達しており、敦賀市の田尻工区(約2・1キロ)の掘削を残すのみとなっている。

新北陸トンネルに続き、敦賀市の深山トンネル(768メートル)が夏ごろに貫通し、金沢―敦賀間の12本のトンネル全てが貫通することになる。

このほか2020年1月には県内で九頭竜川橋(414メートル、福井市)に次いで2番目に長い河川橋「第2竹田川橋」(310メートル、あわら市)が一本につながる。夏には敦賀市の車両基地近くで国道8号をまたぐ高架橋の建設に着手する予定となっている。

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1/6(月) 8:22配信