JR東日本は1月17日、2011年3月に発生した東日本大震災の影響により、常磐線で最後まで運行を見合わせていた富岡〜浪江間を3月14日に再開すると発表した。

9年前の東日本大震災では、福島県の福島第一原子力発電所が被災した影響で、常磐線沿線では富岡町と大熊町の一部、双葉町のほぼ全域が帰宅困難区域に指定され、避難指示が出されていた。

そのため常磐線は、避難指示解除準備区域を含む広野〜原ノ町間で長期運休を余儀なくされたが、同区域の避難指示解除を受けて、
広野〜富岡間が2017年10月までに、浪江〜原ノ町間が2017年4月までにそれぞれ再開していた。

帰宅困難区域が含まれる富岡〜浪江間については、1月17日に開かれた国の原子力災害対策本部会議で、
3町の帰還困難区域のうち「東日本旅客鉄道株式会社の鉄道施設の存する区域」を含む一部区域の避難指示を3月に解除することが発表され、
双葉町の双葉駅周辺が3月4日0時に、大熊町の大野駅周辺が3月5日0時に、富岡町の夜ノ森(よのもり)駅周辺が3月10日6時にそれぞれ解除されることになった。

これを受けて常磐線はおよそ9年ぶりに全線が再開されることになり、再開後は、品川・上野〜仙台間に直通特急『ひたち』が3往復、富岡〜浪江間に普通列車11往復が設定される。

直通特急の時刻は、下りが上野8時発〜仙台12時31分着(ひたち3号)、品川12時45分発〜仙台17時26分着(ひたち13号)、品川15時45分発〜仙台20時28分着(ひたち19号)。
上りが仙台10時13分発〜品川14時51分着(ひたち14号)、仙台16時11分発〜品川20時52分着(ひたち26号)、仙台18時2分発〜品川22時53分着(ひたち30号)。

直通特急の運行に伴ない、常磐線特急に導入されている座席未指定券を発行する着席サービスが、いわき〜仙台間にも導入される。
また、富岡駅と浪江駅を含む再開区間の各駅には、遠隔で指定券発売や列車案内などを行なう「Smart Station for EXPRESS」が整備される。

なお、JR東日本水戸支社では、今回の全線再開を記念した「常磐線全線運転再開記念入場券」を5000セット発売する。発売額は1万3130円(税込・送料別)。
申込みは2月14日から3月13日までJR東日本のインターネットショッピングサイト「JREMALL(ジェイアールイー・モール)」内のショップ「鉄道あんてな」で先着順に受け付ける。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200117-00000024-rps-bus_all
1/17(金) 16:15配信