【AFP=時事】第1次世界大戦(World War I)時に仏軍が使用していたヘルメットは、現在の米軍が使用しているヘルメットよりも頭上での爆発に対する防御力が高かったとする研究論文が、米科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に発表された。


 米デューク大学(Duke University)の生物医学工学者らは、第1次世界大戦時のヘルメット数種類と、現在の米軍が使用している進化型戦闘ヘルメット(ACH)について衝撃波に対する性能試験を行った。実験に使用した第1次大戦時のヘルメットは、英米軍の「ブロディー(Brodie)」と仏軍の「アドリアン(Adrian)」、独軍の「シュタールヘルム(Stahlhelm)」。

 その結果、「アドリアン」の頭上での爆発に対する防御力が、現在のヘルメットよりも高いことが明らかになった。

 実験にはダミー人形を使用し、砲弾の爆発に近いさまざまな強さの衝撃波を与えた。「現在の進化型戦闘用ヘルメットを含めた実験で、1915年ごろの仏軍の『アドリアン』ヘルメットを着用していた場合のリスクは、他のどのヘルメットを着用していた場合よりも低かった」と著者らは述べている。

「アドリアン」は頭頂部がトサカ状になっており、これが衝撃波をそらす役割を果たしたのだろうと研究者らは推測している。

 著者のユースト・オプトュンデュ(Joost Op 't Eynde)氏は「今日われわれが持つあらゆる現代的な素材や製造能力をもってすれば、現在または100年前のものよりも衝撃波に対する防御力が高くなるよう、ヘルメットのデザインを改良できるはずだ」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News

2/19(水) 10:13配信AFP=時事
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第1次世界大戦時のヘルメット。右が仏軍が1915年に使用していた「アドリアン」。フランスの収集家ジュディチェ家の邸宅で(2018年8月29日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
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