ヨーロッパ中部のスロバキアで議会選挙があり、腐敗対策を掲げる野党が第1党に躍進し、政権交代する見通しとなりました。スロバキアでは、おととし政権の腐敗を取材していたジャーナリストが殺害されたことをきっかけに政権批判の声が高まっていて今回の政権交代で、腐敗や汚職対策が進むのか注目されます。

スロバキアでは先月29日、4年に1度の議会選挙が行われました。

スロバキアの統計局の発表によりますと、開票率がおよそ95%の段階で、連立政権を率いていた与党の中道左派「方向・社会民主主義」が前回より大きく票を減らし、これに代わって、野党の中道右派「普通の人々・独立した人達」がおよそ25%の票を獲得し、第1党に躍進する見通しです。

第1党となる野党の党首、マトビッチ氏は「これまでで最高の政権を作る」と勝利宣言し、野党を中心に連立交渉が行われるものとみられます。

スロバキアでは長年、汚職や腐敗が問題となっていて、おととしには政権の腐敗を取材していた男性ジャーナリストが婚約者とともに殺害されたことをきっかけに、批判の声が高まり、大規模なデモが起きていました。

また選挙戦の終盤には与党のペリグリニ首相が病気で入院して、テレビ討論を欠席して「新型コロナウイルスに感染したのでは」という臆測が広がり、政権側がこれを打ち消す騒ぎもありました。

第1党となる野党は司法や警察改革を行う意向を示していて、スロバキアで汚職や腐敗対策が進められるか注目されます。

NHKニュース 2020年3月1日 20時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200301/k10012308921000.html