世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長(55)は、新型コロナウイルスとの世界的な闘いを象徴する顔となった。

テドロス氏の経歴についてまとめた。

―エチオピアで保健相と外相を歴任。2017年5月にWHO初のアフリカ系事務局長に選出され、すべての人が医療にアクセスできる「ユニバーサル・ヘルスケア」を最優先課題に掲げた。


同年、ジンバブエのムガベ大統領をWHO親善大使に指名して西側諸国の関係者から激しく批判され、後に撤回に追い込まれた。

―エリトリアのアスマラ生まれ。地域保健学の博士号(Ph.D.)と感染症免疫学の修士号を、いずれも英国の大学で取得した。

―WHO72年の歴史の中で、初めての医師ではない事務局長。就任以来、スイスのジュネーブにあるWHO本部、150カ国の事務所、総勢7000人のスタッフの改革を進めた。

―WHOの活動を支えるため現場に足を運ぶことを誇りとしており、18年にコンゴ(旧ザイール)で流行が宣言されたエボラ出血熱を巡り、同国を10回訪れた。

―中国で新型コロナウイルスの感染拡大が分かった数週間後に北京に飛び、中国指導部による封鎖その他の思い切った措置を絶賛した。

―ジョージタウン大法科大学院で世界保健法を専門とするローレンス・ゴスティン教授はロイターに対し、「彼(テドロス氏)は非常に政治的だ。それは疑問の余地がない。時としてあまりにも政治的になることがある」と評している。

教授はその上で「彼の愛すべきところは、感情をむき出しにするところだ。自分自身の姿をさらし、WHOの顔に、この感染症の顔になった」と述べた。

―テドロス氏はこのほど、新型コロナを「パンデミック(世界的大流行)」と表現し、感染拡大とその影響が「警戒すべき水準」に達したと警鐘を鳴らした。

https://jp.reuters.com/article/who-tedros-idJPKBN2100BF
※参考顔画像
https://i.imgur.com/srEgqjV.jpg