(ブルームバーグ): 富士フイルムホールディングス(HD)株は、18日午前の取引でストップ高買い気配となり売買が成立していない。午前10時5分時点で、買いが500万株超に対し、売りは約178万株で差し引き300万株を超える買い注文になっている。

株価の急騰は、中国当局が、同社グループの富士フイルム富山化学が開発したインフルエンザ治療薬の「アビガン」が新型コロナウイルスの感染症治療にも有効だと発表したことが背景にある。

中国国務院の新型コロナウイルス研究チームは17日、同ウイルスによる感染症の治療計画にできるだけ早くアビガンの有効成分「ファビピラビル」を含めるよう提言していると発表。時事通信は同日、富士フイルムHDと2016年にライセンス契約を結んだ中国の製薬大手、浙江海正薬業が後発医薬品を量産する方針だと伝えた。

富士フイルムの株価は2月25日に日本政府からの増産要請を受けたとの報道を受けて急騰した後、2018年末の水準近くまで下げていた。野村証券の和田木哲哉アナリストは5日付のリポートで「理論上、アビガンは新型コロナウイルスの増殖抑制に効果があるはず」で、「有効性が確認されれば、新型肺炎に対するパニックの沈静化効果が期待」できるとコメントした。

3/18(水) 10:07配信
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