新型コロナウイルスの影響が懸念される東京オリンピックについて、IOC=国際オリンピック委員会が予定どおりの開催に向け準備を進めていく考えを示したことをめぐり、IOCの一部の委員や選手からは疑問視する声が上がっています。

IOCは17日に開いた臨時の理事会で、東京オリンピックについて「大会まで4か月あり、今は抜本的な決定をすべき時ではない」として、予定どおり7月24日の開催に向け準備を進めていく考えを確認しました。

これに対し、IOCの委員で、かつて女子アイスホッケーなどのカナダ代表としてオリンピックに出場したヘイリー・ウィッケンハイザー氏はツイッターに声明を投稿し「今回の危機はオリンピックよりも大きい。IOCが開催に向けて進もうとしていることは、人間性の観点から無神経で無責任だ」と疑問を呈しました。

さらに、「オリンピックを中止すべきかどうか、今の時点では誰も分からない。ただ、IOCが開催に向かって進むのは、練習している選手や世界中の多くの人たちにとって正しくないことは確かだ」と指摘しました。

また、2016年のリオデジャネイロ大会の陸上女子棒高跳びで金メダルを獲得したギリシャのエカテリニ・ステファニディ選手も、ツイッターで「IOCは大会に向けて練習しなければならない私たちや家族、公衆の健康を脅かしたいのか。あなたたちはまさに今、私たちを危険にさらしている」などと批判し、IOCに慎重な判断を求めました。

2020年3月18日 12時51分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200318/k10012337561000.html
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