NYタイムズ紙も報道
[ロンドン発]新型コロナウイルス・パンデミックでにわかに注目を集める結核予防のため接種されるBCGワクチンのオフターゲット効果について米紙ニューヨーク・タイムズも「古いワクチンは新型コロナウイルスを止めることができるのか」という記事を掲載しました。

NYタイムズ紙は「100年前に欧州で結核の悲劇と戦うために開発されたワクチンの臨床研究が、特に医療従事者を保護する迅速な方法を見つけようとしている科学者によって進められている」と報じています。

世界で年1040万人が結核になり、140万人が死亡。しかしアメリカや欧州では結核はほとんど見られなくなり、BCGワクチンは「途上国の予防接種」とみなされるようになっています。

しかしBCGワクチンは、さまざまな原因による乳幼児の死亡を防ぎ、感染症の発生率を有意に減らすことで知られています。

現在、広範囲にBCGワクチンを接種していないイタリア、スペイン、アメリカ、フランス、イギリスの死者はすでに中国を上回りました。患者と濃厚接触するため感染して重症化するリスクが高い医師や看護師にBCGワクチンを接種させてはどうかというのがオーストラリアやオランダで一部行われている臨床研究の狙いです。

死者が少ない国はBCGを接種
免疫学の第一人者である大阪大学免疫学フロンティア研究センターの宮坂昌之招へい教授がBCGワクチンの接種と新型コロナウイルスによる重症化の相関関係について検討を加えたスライドと資料を送って下さいました。宮坂先生の解説に耳を傾けてみましょう。

宮坂氏「まずスライド1をご覧ください。表の左側から新型コロナウイルス感染者が多い主要国で人口100万人当たりの感染者数、死亡率(=死亡者/感染者数)、人口100万人当たりの死亡率、BCGワクチンの接種方法、各国で使用されているBCG株の種類を比べてみました」

「100万人当たりの死亡者数が10以下の国が7カ国(赤字)あり、そのうちの6カ国が広範なBCG接種を現在行っていました(表中、赤字のyes/presentとは広範な接種が現在行われている。yes/pastとは広範な接種が過去に行われていた。noはほとんど行われていないという意味)」

「その6カ国のうち、3カ国がBCGワクチンの日本株、2カ国が旧ソ連株を使っていました」

広範なBCG接種をしない欧米
「一方、これまで広範なBCG接種をやっていなかったアメリカ、イタリアは人口100万人当たりの死亡率は高い傾向があります(アメリカは人口100万人当たりの死亡率がイタリアよりかなり低いのですが、今後もっと急激に増えるでしょう)」

「欧州諸国は、ポルトガル以外は広範なBCG接種はかなり前に止めていて、これらの国では軒並み死亡率が高い傾向があります。ただし、ノルウェーは死亡率が低めですが、この国は他の北欧諸国よりも長く広範接種を続けていたようです」

「ポルトガルは、他の欧州諸国と同じデンマーク株を使っていますが、現在も広範なBCG接種を続け、隣のスペイン(同じデンマーク株を以前は使っていたが、現在は広範なBCG接種は中止)と比べると、人口100万人当たりの死亡率はかなり低くなっています」

「以上の結果は、これまでオーストラリア南東部ブリスベン在住のコンサルタント、JUN SATO氏がブログJSatoNotesで示された解析結果を確かに裏付けるものです」

著しく生菌数が高い日本株と旧ソ連株

全文はソース元で
4/5(日) 12:00
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200405-00171556/
https://rpr.c.yimg.jp/amd/20200405-00171556-roupeiro-000-15-view.jpg