(CNN) 中国東部の杭州市で、市民の病歴や生活習慣を点数化し、「健康スコア」としてスマートフォン上のQRコードで表示するシステムの導入が検討されている。

中国では新型コロナウイルス感染拡大対策として、個人の健康状態を色別のQRコードで示し、外出制限のランク分けや接触者の追跡に使っていた。杭州市が検討を進めているのは、これにヒントを得た恒久的なシステムだ。

健康スコアは個人の病歴や健康診断結果、生活習慣のデータに基づいて算出される。市保健委員会の公式サイトに掲載された案によると、0から100までのスコアが赤から緑のグラデーションで色付けされる。

1日に歩いた距離が1万5000歩に達したら5点、睡眠時間が7.5時間あれば1点が追加される。減点の例としては、蒸留酒の「白酒」200ミリリットルでマイナス1.5点、たばこ5本でマイナス3点などが挙げられる。

委員長によると、さらに企業や町内会にも、メンバーの運動や睡眠、健診などの状況に応じてグループ単位のスコアを付ける案が検討されているという。

同委員長はデータの収集方法や、スコア取得を義務化する可能性、市民生活や企業活動への具体的な影響には言及しなかった。

この案に対して中国のソーシャルメディアには、プライバシーの侵害だと批判する書き込みが相次いでいる。データが保険会社やマーケティング会社の手に渡ったり、雇用差別につながったりする可能性も懸念される。

さらに技術面の問題として、健康状態を点数化すること自体の難しさを指摘する声も上がっている。

2020.05.26 Tue posted at 14:52 JST
https://www.cnn.co.jp/tech/35154342.html
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